神在月と両祭神

10月はすべての神様は出雲大社へ集合する。
故に島根県では10月を神在月というが、それ以外の地方では、神無月と呼ぶ。


ただ、一人の神様だけ例外がいらっしゃる。
長野の諏訪大社の「諏訪明神」。あまりにも大きな体であったため、それに驚いた出雲に集まった神々が気遣って諏訪明神に限っては、出向かなくても良い、ということになった。



もうひとつ挿話。


鹿島神宮(茨城)の祭神は、地震を起こすとされる「大鯰」を押さえる「要石」を鎮護していたそうな。
過去におきた神無月におきた大地震の幾つかは鹿島の祭神が出雲に出向いて留守だったから起きた、とか。


一見関係なさそうな、諏訪大社鹿島神宮だが意外な接点がある。


天照大神大国主が治める地上の支配権を譲るようにと配下の天津神を覇権した。しかし、天菩比命(あめのほひのみこと)と天若日子(あめのわかひこ)は大国主の懐柔にあい失敗。そこで天照大神は懐柔に屈しない堅物の武甕雷男神(たけみかづちのみこと)を派遣する。


大国主は武甕雷男神に屈し国譲りに応じた。しかし、大国主次男建御名方神は頑強に抵抗し、武甕雷男神に一騎打ちで戦う。結果は天孫の中で最も武勇に秀でた武甕雷男神に屈し、遠く諏訪に逃げ込む。


建御名方神は二度と逆らわないことを条件に許され、諏訪大社の祭神に。武甕雷男神鹿島神宮の祭神になった。


ちなみに鹿島神宮は西向きに建っている。諏訪大社の方角を見ているとか。